シェアリング事業の参考に!モビリティサービス(maas)の事例をご紹介!

本稿ではシェア事業を検討している方に向けて、次のようなモビリティサービスについての内容を詳しく解説しております。

・モビリティサービスとは

・モビリティサービスの事例

 

「モビリティサービス」、という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

シェアリングエコノミーの一部として、移動手段の選択肢を広げ、都市生活を更に便利にするための新しいサービスです。

しかし、具体的な仕組みや、活用方法を詳しく知らない方も多いかもしれません。

本記事では、モビリティサービスの基本的な概念から、その発展段階、具体的な事例、日本や海外の状況、さらには次世代のモビリティサービスについてまで幅広くご紹介します。

ぜひ最後まで御覧ください。

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目次
‐ 1.モビリティサービス(MaaS)とは
 ‐ ①モビリティの意味
 ‐ ②MssSの定義とその重要性
‐ 2.モビリティサービス(MaaS)の発展段階
 ‐ ①MaaSの5段階のレベル説明
 ‐ ②日本におけるMaaSレベルの現状
‐ 3.モビリティサービス(MaaS)事例紹介
 ‐ ①公共交通機関
 ‐ ②カーシェアリング事例
 ‐ ③自転車シェアリングサービス事例
 ‐ ④キックボードシェアリングサービス事例
 ‐ ⑤オンデマンド交通事例
 ‐ ⑥マルチモーダルサービス事例
‐ 4.海外のモビリティサービス(MaaS)事例
 ‐ ①フィンランド「Whim」
 ‐ ②ドイツ「Qixxit」
‐ 5.注目の次世代モビリティサービス
 ‐ グリーンスローモビリティ
 ‐ WHILL
‐ 6.まとめ

 

モビリティサービス(MaaS)とは

①モビリティの意味

モビリティとは、英語の”Mobility”を指し、一般的には「移動性」や「移動可能性」を意味します。

しかし、近年では、このモビリティが持つ意味合いは、単に物理的な移動だけではなく、情報やサービスの「手軽な利用」の側面も含まれるようになってきています。

人々が必要な情報を手元のスマートフォンやタブレットから簡単に取得したり、様々なサービスを利用したりすることが一般的になった結果、言葉が広い意味として使われるようになりました。

また、モビリティという言葉は、交通分野においてもよく使われ、人々が自由に、かつ効率的に移動できる状態やそのための手段を指すことが多いです。

自動車や電車、バスなどの公共交通をはじめ、自転車や歩行者向けのインフラなどもモビリティの一部と考えられます。

 

②MaaSの定義とその重要性

モビリティサービスが、電車やバスなど、人々を目的地まで運搬するに当たっての様々なサービスのことだということは皆さんも知っての通りです。

ではMaasとはなんでしょうか?

MaaSとは、「Mobility as a Service」の略で、従来型の交通・移動手段にシェアリングサービスも統合して次世代の交通を生み出す動きの事を言います。

例えば、電車やバスなどを乗り継いで移動を行う際、予約や運賃の支払いは各業者に対して個別に行わなければいけません。

手元のスマートフォン等から検索~予約~支払を一度に行えるように改めて、ユーザーの利便性を大幅に高めたり、また移動の効率化により都市部での交通渋滞や環境問題、地方での交通弱者対策などの問題の解決に役立てようとする考え方の上に立っているサービスがMaaSです。

総務省HPより一部抜粋

従来の所有から利用へという姿勢の変化を反映したこの概念は、都市の持続可能性、環境への配慮、交通渋滞の軽減など、多くの社会問題を解決する可能性を秘めているため、近年特に注目が集まっています。

公共交通機関、レンタカー、タクシー、自転車、そして最近ではカーシェア、ライドシェア、電動キックボードなど、さまざまな移動手段を一元的に管理、提供するシステムといったところでしょうか。

これらの移動手段を統合的に利用することで、より効率的で便利な移動が可能になります。

 

モビリティサービス(MaaS)の発展段階

①MaaSの5段階のレベル説明

(出典:国土交通省)

国土交通省の資料によるとモビリティサービス(MaaS)の発展は5段階に分類されます。

0.統合なし:単体のバラバラのサービス段階。

1.情報の統合:利用者に交通情報を提供する段階。

2.チケットの統合:複数の運送手段を一括して購入・管理できる段階。

3.サービス統合:複数の運送手段を組み合わせて最適なルートを定額制で提案する段階。

4.政策の統合:全ての交通手段が統合され、都市全体が効率的に移動できるように最適化された段階。

これらのレベルが進むにつれて、利用者はより便利で効率的な移動が可能になります。

 

②日本におけるMaaSレベルの現状

現在、日本におけるモビリティサービス(MaaS)の発展状況を観察すると、利用者に交通情報を提供する段階である、レベル1は達成されています。

ジョルダンやNAVITIMEなどで運賃や距離、時間などを検索し、移動計画を立てたことは皆さんもあるのではないでしょうか?

しかし複数の運行会社を跨いだり、バスや飛行機が絡んでくると、支払いや予約は別々でやっていると思います。

これが一括で出来るようになるとレベル2になります。

日本ではまだそこに至っていないので、現状はレベル1から発展が進んでいる段階です。

 

モビリティサービス(MaaS)事例紹介

①公共交通機関

公共交通機関は、MaaSの基盤となる重要な要素です。

特に日本では、一日あたり約7,000万人もの乗客が利用する鉄道やバスなどの公共交通システムが発展しているほか、タクシーは22万台が走行し、空の便や海の輸送も含めると非常に多くの人を運んでいます。

これらの公共交通機関とモビリティサービスを効果的に組み合わせることで、シームレスな移動体験が可能となります。

 

②カーシェアリング事例

– ORIX Car Share

ORIX Car Shareは、ORIX自動車株式会社が提供するカーシェアリングサービスの一つです。

全国の駅前やコンビニエンスストア、ショッピングセンターなど、利用者の身近な場所に設置されている約2万台の車両をスマートフォンやPCから予約し、利用することができます。

 

– Times CAR SHARE

パーク24株式会社が運営する「Times CAR SHARE」は、日本全国で広く利用されているカーシェアリングサービスの一つです。

初回登録費用や月額会費は無料で、利用した時間と距離に応じた料金が発生します。

また、ユーザーは専用のスマートフォンアプリを使用して予約、車両の開錠・施錠を行います。豊富な車種が揃っており、コンパクトカーからワンボックスカーまで利用することができます。

カーシェアに似たシェアリングに、最近注目されているライドシェアがあります。

下記の記事では両者の違いや、事例について解説しておりますので、是非御覧ください。

ライドシェアとは?基本情報やメリット、問題点の解説と新規参入を検討する企業が知っておきたい事

 

③自転車シェアリングサービス事例

– HELLO CYCLING

「HELLO CYCLING」は、自転車シェアリングサービスの一つで、首都圏、関西圏を中心に20都道府県に展開されています。

専用のアプリをダウンロードし、必要な情報を登録するだけで、簡単に利用開始できます。

自転車は専用ポートや一部の駐輪場で借りることができ、あらかじめ地図で位置を確認することが可能です。

また、返却もこれらの場所で行うことができます。このサービスは、公共交通機関との乗り継ぎや、観光地での移動手段として便利です。

また、満員電車を避けて通勤・通学に利用している人もいます。

 

– PIPPA

「PIPPA」は株式会社オーシャンブルースマートが提供する自転車シェアリングサービスです。

従来のレンタルサイクルのように「決まった所から借りて」「決まった所に返す」仕組みではなくIoT技術を用い、ポートと呼ばれる専用駐輪場で自由に乗り降りすることが可能な次世代のシェアサイクルサービスです。

電動アシスト付き自転車や前かご、後ろかご付きなど、様々な機能の自転車が用意されており、30分以内であれば無料という嬉しいサービスもあります。

 

④キックボードシェアリングサービス事例

– LUUP

LUUPは、日本のキックボードシェアリングサービスの一つであり、都市部のちょっとした短距離移動を「早く・ラクに・気持ちのよい」ライドに変えることができます。

ユーザーは専用アプリを通じて最寄りのポートからキックボードを探し、QRコードをスキャンするだけで利用可能。移動後は、指定された駐車エリアに返却する仕組みとなっています。

本サービスは、公共交通との結びつきも考慮されており、バスや電車利用と連携した移動経路の提案も行われています。

これにより、都市部の交通課題解決に貢献している良い事例となっています。

 

– SWING

「SWING」は、韓国発のモビリティサービスとして注目を浴びているキックボードシェアリングサービスです。

東京都内を中心に展開し、アプリを使って最寄りのキックボードの位置を探し、簡単な操作でレンタルと返却が可能なサービスとして利用者から支持を得ています。

特徴として、返却を行う必要が無い完全レンタルサービスがあります。

ユーザーはキックボードを家に持ち帰り、ポートまでわざわざ歩く必要がありません。

 

⑤オンデマンド交通事例

– MONET

MONETは、株式会社MONET Technologiesが提供する、MaaSを活用したオンデマンド交通サービスです。

ICTを活用した配車システムにより、利便性が高く効率的な公共交通を実現しています。

通常の交通機関とは異なり、時刻表を気にする事なく好きな時に好きな場所へ、オンデマンドバスによって移動することが可能になります。

そしてこれらは事前予約によって運行されるため、無駄無く車両の稼働率の向上や遊休時間の削減に貢献しています。

 

– コンビニクル

「コンビニクル」は順風路 株式会社が提供するオンデマンド交通サービスです。

少子高齢化により、ドライバー不足に陥った地域が交通困難になっている状況に対応するべく、サービスが始められました。

運行経路の完全自動生成機能により、熟練を要するスタッフの育成・教育なしに導入が進められるのが特徴です。

 

⑥マルチモーダルサービス事例

– my route

トヨタファイナンシャルサービス株式会社が提供するMaaSアプリ「my route」は、移動手段の検索・予約・決済から、街の魅力発信まで一括でサポートするサービスです。

シームレスな移動体験と街の活性化を同時に実現し、ユーザーの利便性向上と地域社会の活性化に貢献します。

my routeは、単なる移動手段の検索・予約・決済アプリではなく、ユーザーの移動体験を豊かにし、街の活性化に貢献する次世代MaaSプラットフォームとして進化し続けています。

 

– Ringo Pass

JR東日本が開発する「Ringo Pass」は、電車、バス、タクシーなどの交通手段を統合的に検索・予約・決済できるMaaSアプリです。

Suicaとクレジットカードを予め登録しておくことで決済をスムーズに行うことができます。

今後はシェアサイクルの分野でも統合が予定されており、Suicaをタッチするだけで自転車を利用することができるようになるようです。

 

海外のモビリティサービス(MaaS)事例

①フィンランド「Whim」

「Whim」は、フィンランド発のMaaSアプリで、MaaS Global社が提供しています。

このサービスはバス、タクシー、ライドシェアなど様々な交通手段を一つのアプリで組み合わせて利用することができると同時に、利用者に最適な移動手段を提供します。

Whimは利用者が目的地まで移動するための様々なオプションを提供し、予約から決済まで一括して行うことができる世界初のMaaSアプリです。

そのため、フィンランドのMaaSレベルは3を実現しています。

 

②ドイツ「Qixxit」

Qixxit(キクシット)は、2013年にドイツ鉄道(Deutsche Bahn)がリリースしたマルチモーダル型の統合モビリティサービスプラットフォームです。

このサービスもWhimと同じく、あらゆる交通手段を統括しており、路線の検索や予約、決済を一括で可能にします。

Qixxitでは、飛行機や長距離バスを含む幅広い移動手段の情報を、国境を超えた先の近隣都市まで検索できるため、利用者は自分にとって最適な移動手段を選択できます。

 

注目の次世代モビリティサービス

①グリーンスローモビリティ

(画像出典:https://www.townnews.co.jp/0304/2022/06/02/627569.html

「グリーンスローモビリティ」は、エコロジーとスローライフを重視した新たなモビリティサービスです。

環境負荷を軽減しながら、人々がリラックスして移動できることを目指しています。

主に、電動車や電動アシスト自転車、電動キックボードなどの小型で環境に優しい乗り物が使用され、都市部の短距離移動や観光地での移動手段として注目されています。

 

②WHILL

(画像引用:https://whill.inc/jp/

WHILL株式会社が提供するWHILLは次世代型の電動車椅子、および近距離モビリティ製品です。

同社はモビリティデバイスの新しいカテゴリーを生み出し、高いデザイン性と先進の技術を兼ね備えた製品を通じて、多くの人々に新しい移動の自由を提供しています。

高齢者や障害を持つ人々だけでなく、一般の消費者にも注目されており、福祉用具としての側面を超えた未来のモビリティとして注目されています。

 

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まとめ

本記事では、モビリティサービスの概念から具体的な事例まで詳しく探り、その成熟度と今後の展望について見てきました。

日本国内外で様々なモビリティサービスが展開され、公共交通機関、カーシェアリング、自転車シェアリング、キックボードシェアリング、オンデマンド交通、そしてマルチモーダルサービスと、移動手段としての選択肢が増えています。

しかし、次なるMaaSレベルの実現にはまだ課題が多く存在します。

それらを解決し、MaaSがより広範に利用される社会を迎えるために、これからの発展に期待が集まっています。

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