本記事では物流シェアリングについて知りたい方や、プラットフォーム構築を検討されている方に向けて、次の内容を解説しております。

 

・物流シェアリングの基礎知識

・物流シェアリングが注目される理由

・物流シェアリングの事例

 

物流業界は現在、大きな変革の波に直面しています。

2024年問題として知られる一連の課題に対応するため、多くの企業が新たな解決策を模索しています。

その一つの解決策として注目されているのが、物流シェアリングや配送マッチングサービスと呼ばれるものです。

これらはただ単にコストを削減するだけでなく、物流の効率性と柔軟性を大幅に向上させる可能性を秘めています。

今回は、物流シェアリングがどのように業界を変えていくのか、そしてこれらの新しいサービスがどのようにして2024年問題に対処しているのかを深掘りしていきます。

 

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1.物流シェアリングの基礎知識

シェアリングとは、シェアリングエコノミーの事を指しており、未使用資源を共有し、効率的に活用する経済の仕組みです。

この考え方は物流業界にも応用され、「物流シェアリング」として注目を集めています。

物流シェアリングは、トラックや倉庫スペースなどの未利用の輸送リソースを複数の企業間で共有することにより、配送の効率化を図り、物流コストを削減します。

例えば、一台のトラックで異なる企業の荷物を同時に輸送することにより、運送コストの分担や配送ルートの最適化が可能になります。

経済的な利益とともに、環境への負荷も低減し、持続可能な物流システム構築への貢献も期待されています。

 

シェアリングエコノミーについて具体的に知りたい方は下記の記事を御覧ください。

▶【５分で分かる】シェアリングエコノミーとは？具体例から見る、企業の新たなビジネスチャンスを解説

 

2.物流シェアリングのメリット

物流シェアリングの利点は多岐にわたりますが、最大の利点はコスト削減です。共有された輸送リソースを利用することで、各企業は運送コストを効率的に分担できます。

そしてマッチングプラットフォームの活用により、運送の需給バランスが最適化されます。

物流業界はECの増加やサプライチェーンの伸長により、全体的に配送需要が増しているものの、2024年問題や、昨今の人手不足の影響からドライバーの数が減少し、慢性的に運び手が足りない状況にあるため、物流シェアリングの活用はこのバランスを是正することができます。

また、物流シェアリングは環境にも配慮した取り組みです。

輸送の最適化により、CO2排出量を減らし、持続可能な物流を実現し、さらに小規模事業者にとっても大規模な物流網へのアクセスが可能になります。

 

3.物流業界でシェアリングが注目される理由

①「物流版ライドシェア」として2024年問題の解決

2024年問題とは、働き方改革関連法の適用によって、ドライバーの労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、モノが運べなくなる可能性を懸念する問題です。

労働時間が短くなるということは、ドライバーとして働いている従業員も、思うように稼げなくなってしまいますので、今後人材が不足していくことが考えられます。

状況は違いますが、同じように人手が足りないタクシー業界では、こういったドライバー不足の問題に対して「ライドシェア」という取り組みを、今年の４月から部分的に開始する予定です。

これは、スマートフォンアプリを使った専用プラットフォーム内でドライバーと乗客をマッチングさせ、効率よく運行することで足りてない需要を満たし、人手不足を解消しようというものです。

▶ライドシェアとは？基本情報やメリット、問題点の解説と新規参入を検討する企業が知っておきたい事

物流業界も、そうしたDX化の取り組みを進めており、荷主とドライバーをマッチングさせることで効率的に人材や空いたスペースを活用することが期待されています。

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②EC化の進展による物流量の増加

近年、EC化の進展により、物流量は急増しています。

しかし、物流施設の不足や人手不足などの課題から、物流の効率化が求められています。

シェアリングにより、物流施設や人材を効率的に活用することで、物流量の増加に対応することが可能となります。

 

③環境問題への対応

物流業界は、CO2排出量の多い産業として知られています。

シェアリングにより、輸送距離の短縮や空車率の低減など、環境負荷の低減につなげられることから注目されています。

 

4.物流シェアリングのタイプ

①倉庫シェアリング

倉庫シェアリングとは、複数の事業者が倉庫を共有するサービスです。

倉庫の空きスペースを有効活用することで、コスト削減や業務効率化が期待できます。

②輸送シェアリング

輸送シェアリングとは、複数の荷主や運送業者が輸送を共有するサービスです。

輸送の効率化やコスト削減が期待できます。

 

③車両シェアリング

車両シェアリングとは、複数の事業者が車両を共有するサービスです。

車両の空き時間を有効活用することで、コスト削減や業務効率化が期待できます。

 

5.物流・配送マッチングサービスの事例

株式会社LOGI FILL-ロジフィル「LOGI FILL」

（画像引用：https://logifill.jp/）

「LOGI FILL」は、荷主と運送業者をオンラインでマッチングする求荷求車マッチングサービスです。

細かな条件設定と検索機能により、希望の案件を簡単に探せる仕組みとなっており、荷主は、荷物の重量やサイズ、配送距離、納期などの条件を細かく設定して、希望の案件を探すことができます。

運送業者は、積載量や車両サイズ、運転可能エリアなどの条件を設定して、希望の荷物を探すことができます。

そして、荷主と運送業者は直接交渉することができるのでお互いの納得できる適正な価格での取引が実現します。

 

Bcloud株式会社「PickGo」

（画像引用：https://cb-cloud.com/）

Bcloud株式会社の「PickGo」は、荷物を届けてほしい人と配送パートナーを繋ぐ日本最大級の配送プラットフォームです。

軽貨物運送業者や個人事業主など、全国に10万人以上の配送パートナーが登録が登録されています。

そのため、荷主は、荷物のサイズや重量、配送距離、納期などの条件に合わせて、最適な配送パートナーを見つけることができます。

 

ハコベル株式会社「ハコベル」

（画像引用：https://cb-cloud.com/）

ハコベル株式会社の「ハコベル」は、ハコベルは「荷物を送りたい人とドライバー・運送会社をつなげるハコベル運送手配サービス」「荷主・運送会社の運送コスト削減・業務効率化をする物流DXシステム」を提供する、物流プラットフォームです。

荷主は、ハコベルのアプリやWebサイトから、荷物のサイズや重量、配送距離、納期などの条件を入力して、配送依頼をすることができます。

ハコベルは、全国の運送会社と提携しており、最適な運送会社を探して、配送料金や配送可能時間を提示します。

荷主は、提示された条件を基に、運送会社を選択して、配送を依頼することができます。

 

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6.まとめ

物流シェアリングは、物流業界に新しい風を吹き込んでいます。

これらのサービスが注目される理由は、2024年問題という物流業界の大きな問題に対て、効率的かつ環境に優しい解決策を提示しています。

物流シェアリングがもたらす影響は、単なる流行や一過性のトレンドではありません。

むしろ、これらは物流業界の持続可能な進化を支える基盤となり、企業や個人に新たな選択肢を提供し続けるでしょう。